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3/11拡大研究会【オンライン開催】一般発表

2023-03-03 | EVENTS / ACTIVITIES

2023年3月11日(土)開催の「日本STEM教育学会 拡大研究会【オンライン開催】」の一般発表の内容を掲載いたします。

開催概要・プログラム内容および参加お申し込みは、こちらよりご確認ください。

 

■一般発表 分科会A 
座長:下郡 啓夫(函館工業高等専門学校)

A-1)「STEAM教育としてのきもの科学部」
下郡 啓夫(函館工業高等専門学校),加藤 結理子(一般社団法人千總文化研究所)

きもの科学部は、令和4年度、千總の有形・無形の文化財を活用した文化教育プログラムを京都市内の中学生のための倶楽部として実施されたものである。
その中で、日本文学、農学、工学、染色デザイン等の専門家が倶楽部の指導者となり、着物に描かれた植物や和歌、着物のデザインや色のほか、染色技術を中学校の各教科と結びつけながら、きもの文化を様々な視点から深く体系的に学ぶ機会を創出してきた。本研究では、きもの科学部のカリキュラム構築の理論を紹介する。

A-2)「「きもの」を題材とした中学生向けSTEAM教育プログラム開発の試み」
加藤 結理子(一般社団法人千總文化研究所),下郡 啓夫(函館工業高等専門学校)

日本の「きもの」には長い歴史の中で育まれた多様な技術と文化があるが、いわゆる「伝統文化」や「伝統技術」といった枠組みの中で捉えるのではなく、その根底ある様々な学問分野から分野横断的にアプローチすることで、子どもの想像性・創造性の育成を目指して開発されたプログラムの実践報告をする。
本プログラムは、「きもの」に用いられる色や模様、それを形づくるためのデザインや技術を、中学校で学ぶ国語、社会、理科、技術、美術と結びつけ、各分野の専門家ならびに教育委員会の協力の元、中学生向けの課外プログラムとして実施された。

A-3)「小学校算数科「速さ」の指導改善を目的とした動的な事象に関する認識調査分析」
津田 真秀(梅光学院大学),黒田 恭史(京都教育大学)

算数科指導における「速さ」の指導は,一様な物体の運動を題材に,公式を用いて「速さ」「時間」「距離」を計算によって求めることが中心である。「速さ」が刻一刻と変化するものであるという認識を育むためには,実際に目の前で動く物体なども題材として含める必要があると考えた。本研究では,算数科の「速さ」の指導を終えた小学校第5学年を対象に,動的な事象に関する認識調査を実施し,分析することで,その認識特性を解明することを目的とする。

A-4)「高校生が数学的探究を遂行できるようになるための教材開発 -折り紙を用いたものづくりを通して-」
葛城 元(奈良学園大学),黒田 恭史(京都教育大学)

高等学校の数学教育では,変化の激しい社会に対応していくために,生徒が数学的探究を遂行できる力の育成が重要であると考えた。折り紙を用いたものづくりは,数学の活用と実物検証による科学的手法を用いた思考法の習得と,目的とする作品を精度高く創造・構築できるといった数学の果たす役割の理解が期待できる。本研究では,折り紙を用いたものづくりを通して,生徒が数学的探究を遂行できるようになるための教材開発を行った。

 

■一般発表 分科会B 
座長:小林 祐紀(茨城大学)

B-1)「信頼できる情報源の重要性について認識できる能力の育成を志向した自由進度学習の実践と評価」
白土 瑞樹(笠間市立笠間中学校),小林 祐紀(茨城大学),北濱 康裕(加賀市立片山津中学校),西岡遼(ひたちなか市立佐野中学校),岩崎 啓子(茨城県立石岡第二高等学校),中川 一史(放送大学)

本研究の目的は,中学校国語科において,生徒が信頼できる情報源の重要性について認識できることを意図した自由進度学習の実践を提案及び実施し,成果と課題を明らかにすることである。本実践は,クラウドサービスを用いた自由進度学習を取り入れた授業を展開した。成果物の評価はA+B評価が80%を超えた。さらに,生徒は学習内容を理解し,授業に取り組めていたこと,クラウドサービスを用いた自由進度学習を好意的に捉えていたことが明らかになった。

B-2)「自動追尾型太陽光発電パネルを題材としたSTEM教育教材」
廣田 千明(秋田県立大学システム科学技術学部),橋浦 康一郎(秋田県立大学システム科学技術学部),伊藤 大輔(秋田県立大学総合科学教育研究センター)

近年のトピックとして,探究学習やデータの活用教育,教科横断的な学習が挙げられる.現在,これらの内容に合致する教材は少なく,教材の開発が望まれている.そこで本研究では様々な探究活動ができ,データの取り扱いも体験でき,教科横断的である教材として,自動追尾型太陽光発電パネルを題材とした教材を作成した.本発表では,開発した教材を紹介し,小中高等学校の各段階でどのような学習が可能であるか検討結果を発表する.

B-3)「帰属意識を高めるコミュニティプラットフォームの研究開発」
森 俊彰(株式会社ベネッセコーポレーション),後藤 義雄(株式会社ベネッセコーポレーション),小川 修一郎(株式会社ベネッセコーポレーション)

本研究では、オンライン掲示板のようなプラットフォームにおける帰属意識を高めるための 研究開発を行い、コミュニティ運営に活用されるようなデジタルでの仕組みを開発する。
実施内容は、(1)参加者のパーソナリティを踏まえた帰属意識を高めるためのコミュニティの 研究、(2)運営をサポートするための機能開発、である。本稿では、取り組みの現状と今後の計 画を論ずる。

B-4)「教育データとして児童の振り返りを蓄積できるWebアプリを用いて授業改善を図る際の教師の着眼点」
小林 祐紀(茨城大学),福田 晃(金沢大学附属小学校),森下 純一(スズキ教育ソフト株式会社),爲 聰隆(スズキ教育ソフト株式会社),鈴木 広則(スズキ教育ソフト株式会社),中川一史(放送大学)

本研究の目的は,教育データとして児童の振り返りを蓄積できるWebアプリを用いて,授業改善を図る際の教師の着眼点を明らかにすることである。A小学校B教諭(第5学年担任)を対象にヒアリング調査を実施したころ,4つの着眼点を見出すことができた。またこれらの着眼点は,授業中の見取り評価と関連することが示された。さらに,まず全体の傾向を把握した上で,次に抽出児童やグループの詳細な内容の把握に展開していることが明らかになった。