2026-02-23 | EVENTS / ACTIVITIES
2026年3月1日(日)開催の「日本STEM教育学会 拡大研究会【オンライン開催】」の一般発表の内容を掲載いたします。
開催概要・プログラム内容および参加お申し込みは、こちらよりご確認ください。
■一般発表 分科会A
A-1)「AI時代のSTEAM教育における判断設計- Marrの3水準と二層型Can-Do Statementsによる理論整理 -」
下郡 啓夫(函館工業高等専門学校)
生成AIの普及により、情報生成や解法提示が容易になる一方で、学習者がどの水準の判断を自ら引き受けているのかを教育的に可視化する必要性が高まっている。とりわけSTEAM教育においては、成果物や活動の完成度に焦点が当たりやすく、学習過程における思考や判断の質が捉えにくいという課題がある。
本研究では、こうした課題を踏まえ、判断を問いの意味づけ、推論の妥当化、実装上の責任選択を含む認知行為として捉える。その上で、Marrの3水準を判断の認知構造として再解釈し、STEAM各領域を判断過程における役割として位置づける理論枠組みを提案する。さらに、19の思考スキルに基づく二層型Can-Do Statementsを統合し、AI時代のSTEAM教育の設計および評価に資する理論フレームを示す。
A-2)「腎臓のろ過機能を理解するための中空糸膜を利用した実験の開発」
西川 洋史(埼玉県立進修館高等学校)
高校生物で学ぶ腎臓に関わる生徒実験にはブタ腎臓の解剖があり,形態学的な理解を促す。しかし,腎臓の生理機能を理解するには物質的レベルで捉える実験が必要である。本研究では,中空糸膜のろ過キットを用いた腎臓のろ過機能を模した実験系を開発した。具体的にはグルコース,卵黄アルブミン,食塩を含む溶液を血漿に見立て,各成分のろ過前後の濃度変化を検尿試験紙と電子塩分計で判別可能な濃度及び操作方法を検討した。
A-3)「教育AI特化型サービスの類型化とバイブコーディング時代への展望―ベンダー調査に向けた理論的枠組みの構築―」
佐藤 雄太(一般社団法人教育AI活用協会)、濵田 英毅(玉川大学)、稲垣 忠(東北学院大学)
2026年1月にOECDから発表された『Digital Education Outlook 2026』では教育特化型AIの活用効果が記されている。しかし、実際の教育AIサービスの実態は十分に検証されていない。本研究では、先行研究の整理を通じて教育AIの類型化を試み、OECDフレームワークとの対応関係を明らかにする。さらに、バイブコーディング技術の進展により教員自身が教育アプリを開発可能な時代が到来しつつある状況を踏まえ、既製品サービスの限界と今後必要となる環境整備について理論的考察を行う。これらを基に、ベンダー調査の枠組みを提示する。
■一般発表 分科会B
B-1)「生成AIを効果的に取り入れた授業実践~生成AIアプリケーションの試行的導入事例~」
江口 千穂、小形 和史、近藤 央尭(東京都北区立袋小学校)
生成AIは学校教育においても各教科等での活用が急速に進んでいる。日々の授業において試行的に生成AIを導入し,効果的な活用場面を蓄積していくことで,ネクストGIGAの円滑な推進を図る。本研究においては,生成AIのよさや気を付けること等に子供が自ら気付き,情報活用能力を高めることができた授業実践について報告する。
B-2)「教職課程学生に対するSTEAM教育体験型授業の短期的効果」
金川 弘希(大阪青山大学)、竹歳 賢一(大阪大谷大学))
本研究では,教職課程の学生25名を対象にmicro:bitを活用した音楽的協働活動を取り入れたSTEAM体験型授業を実施し,事前事後質問紙調査により,短期的効果を検討した。事前事後質問紙の分析の結果,「STEAM理解」,「思考力」,「協働性」,「創造性」,「ICT活用自己効力感」のいずれにおいても有意な向上が認められ,中~大程度の効果量が確認された。
以上より,本実践は教師教育段階におけるSTEAM実践力形成に寄与する可能性が示唆された。
B-3)「人型ロボットPepperを主教諭とした小学校プログラミング教育実践授業と教育効果の検証」
神田 孝央(追手門学院小学校)、福田 哲也(追手門学院大学)、小林 直樹(追手門学院)、井上 明(大阪工業大学)
本研究では、小3児童対象に教員とソフトバンク社のPepperが、同じプログラミング教育の授業を実施し、その教育効果について比較・分析したものである。地域や学校によって進度の差が大きく、教員の負担も大きいプログラミング教育を、人型ロボットによる一斉授業を展開する中で、教員が児童支援に専念する教育体制の可能性の検証を目的に、本研究を実施した。分析の結果、人型ロボットを授業者として行った授業も一定の教育効果が得られることが分かった。
■一般発表 分科会C
C-1)「STEAM教育におけるSTEM+Aの関係」
大谷 忠(東京学芸大学)、山田 秀和(岡山大学)、後藤 賢次郎(山梨大学)、手塚 千尋(明治学院大学)、畑山 未央(植草学園大学)
本研究ではSTEAM教育におけるSTEM+Aの関係について検討した。特に,本研究ではYakman(2008)が提案するリベラルアーツの内容を取り上げ,STE@M教育のPyramidを米国における学問分野から抽出されたk-12の教育体系と位置付け,同様に日本の学術分野における芸術,経済,法律,政治,倫理等の区分に関わる内容例を教科書から抜粋し,リベラルアーツ領域のキーワード例として抽出した。本内容は,実社会における問題発見・解決に生かしていく視点として,STEM教育との関連を図る上での参考例として提案できる。
C-2)「STEAM教育を意図した国際交流プロジェクトの推進とその教育効果」
多田 遥香(筑波大学)、福田 哲也(追手門学院大学)、小林 直樹(追手門学院)
本研究では、STEAM教育を意図した国際交流プロジェクトを構想・実践し、その教育効果について探索的に検討した。4か国7校の中等教育段階の学習者が、SDGsをテーマとした共通課題に協働で取り組んだ。事前・事後アンケート分析の結果、技術的自己評価に有意な変化は見られなかった一方、対人不安や緊張の有意な低下が確認された。国際協働型STEAM教育が心理的安全性の形成に寄与する可能性が示唆された。
C-3)「教室を越境する学びの進化 – 生成AIの認知支援とデジタルファブリケーションの身体性が交差する次世代STEM教育 – 」
山本 周(聖学院中学校高等学校)
探究プロセスにおいて、生成AIは強力な壁打ち相手となるが、完遂へのモチベーション維持には課題がある。本発表では、独自AI「先生Gem」の分析結果と、5年間のデジタルファブリケーション教育における「教室を越境する学び」の成果を統合する。AIがもたらす「思考の安全地帯」と、ファブラボの「物理的・人間的な共創空間」を組み合わせることで、AI時代のSTEM教育に求められる新たな学習者支援のあり方を提示する。
2026-02-23 イベント・活動
3/1拡大研究会【オンライン開催】一般発表
2026-01-23 イベント・活動
3/1拡大研究会【オンライン開催】のお知らせ(第2報)
2026-01-23 イベント・活動
3/1拡大研究会【オンライン開催】一般発表募集のご案内
2026-01-23 イベント・活動
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2025-12-22 イベント・活動
3/1拡大研究会【オンライン開催】のお知らせ(第1報)
2025-09-05 イベント・活動
日本STEM教育学会 第8回年次大会【オンライン開催】一般発表
2025-08-04 イベント・活動
日本STEM教育学会 第8回年次大会【オンライン開催】のお知らせ(第2報)
2025-07-08 イベント・活動
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2025-07-08 イベント・活動
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2025-07-03 イベント・活動
日本STEM教育学会 第8回年次大会【オンライン開催】のお知らせ(第1報)